国際会議参加報告〈7th IWG〉

国際交流委員会より、会員による国際会議の参加についてご報告申し上げます。
海外学会等での報告は、英語での報告、海外への渡航など、ハードルが高い側面もございますが、少しでも身近に感じていただき、諸先輩方のご経験に続いていけるようにと考えております。会員のみなさまが、ご研究の成果を世界中に発信し、日本のスポーツとジェンダー研究が世界にインパクトを与えていけることを期待しています。みなさまもぜひご報告をお寄せください。

さて今回は、掛水通子会員と阿江美恵子会員によるIWG(International Working Group on Women and Sport)World Conference参加報告です。掛水会員、阿江会員、ご報告どうもありがとうございます。

7th IWG World Conference on Women and Sport参加報告

掛水通子(東京女子体育大学)・阿江美恵子(東京女子体育大学)

5月17日から20日まで、ボツワナ共和国のハボロネ国際コンベンションセンターで開催された第7回世界女性スポーツ会議に参加した。今回のテーマは“Determine the Future-Be Part of the Change”  であった。第1回は1994年にイギリスのブライトンで開催されてブライトン宣言を採択し、その後の女性スポーツの発展に大いに役立っている。私たちは熊本で開催された2006年の第4回会議から、シドニー、ヘルシンキ、ハボロネと4年ごとに毎回参加している。

今回は参加者名簿が発行されず国別参加者数は不明であるが、閉会式で、1,000人以上の参加者があったと報告された。その、およそ三分の二はアフリカ大陸からの参加者であると思われた。特にボツワナ共和国、南アフリカ共和国、ジンバブエ共和国、ザンビア共和国からの参加者が多く、南部アフリカでの、男女スポーツ平等への熱意が感じられた。今回は本学会からの参加は私たちのみで、日本からの参加者も、基調講演をした鈴木大地スポーツ庁長官をはじめ十名ほどと少数であった。

 

 

 

 

 

 

 

毎朝6時から運動プログラムがあり、8時から全体会議が始まった。午前午後とも、2時間ほど全体会議で基調講演等の後、8会場ほどに分かれ、各会場4題で構成されるパラレルセッションでの発表やサイドイベントがあり、夕方からは歓迎会や文化的行事、情報交換会とハードスケジュールであった。
掛水はパラレルセションで、”Accumulated knowledge and prospect of sport history focused on women in Japan” と題して日本の女性スポーツ史研究の蓄積と今後の展望を発表した。阿江は ”Gender equality is just a half way”と題して、日本体育学会では役員の女性枠を設けたことにより、女性役員は増えたものの、女性会員450人から得られたデータから、男女平等へ向かっての道は半ばであることを発表した。

12年前の熊本大会にはボツワナから大勢の少女が参加していた。成長したその少女たちの一人に再会でき、熊本のことやその後のことを話し合えたことは大きな喜びであった。また、東京女子体育大学で開催した本学会第15回記念大会で講演していただいた、トニー・ブルース先生とも再会できた。次回はトニーさんのお国、ニュージーランドのオークランドでの開催である。
IWG The Botswana Big5を次回会議までに進めることを確認して閉会した。アフリカの動物Big5になぞらえている。

犀(サイ)      
Media: Cooperate with media, and utilise social media, to both increase coverage of women’s sports and to portray women without limiting-stereotypes.

ライオン   
Accountability : Increase transparency regarding resource allocation for women’s and men’s sports in order to insure accountability and equality.

ヒョウ      
Representation : Insist on equitable sport leadership roles for women at all levels in governing bodies, as coaches and in administrative and decision-making positions. Persistently pursue women’s sports participation and representational targets.

バッファロー
Research to Practice :
Build evidence-based policies and practices that drive equality,  safety, violence-free environments, and integrity in sport, including an emphasis on women’s right to control their own bodies.

象(ゾウ)        
Communication : Build onto the IWG digital platform to serve as a hub for women’s sports news, research, best practices and organizational progress and to strategically pursue additional signatories.

  

 

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International Working Group on Women and Sport