日 時:9月28 日(日) 13:00〜15:00
会 場:熊本大学 D203 (日本体育学会 関連研究会として開催)
主 催:日本スポーツとジェンダー研究会
テーマ:体操服・制服とジェンダー
報告者:萩原美代子(文化女子大学)
<抄録>
昨今、中学校で「制服の自由化」をめぐる議論があるという。女生徒から「ズボンを認めてほしい」という声があがっているということを聞いた。
女子はなぜスカートをはくべきなのか?
今から150年も前に既にその問題は存在した。1850年代、アメリカでアメリア・ブルーマーがブルーマースタイルを普及させた時、1880年代イギリス女性がブルーマーで自転車に乗った時、女性にズボンはふさわしくないという論争が起こった。
そして同時期の日本でも、割袴(男袴)を着けて登場した明治初期の女学生は世間の激しい批判を受け、着物姿に戻っていった。
近代以降、とりわけ中・上流階級の女性にとって、ズボン型の衣服は「女らしくない」とされ、永い間「ふさわしい服」とは考えられなかった。しかし運動するには自由な2本脚が必要だった。1920年代になって女子競技会が開催され、ブルーマーの女子競技者が一般的になっても、日本ではいまだトレパンには抵抗があった。
本報告では、、日本の近代教育における運動服・制服の変化を通して、男/女に「ふさわしい服」とはどう考えられてきたのか概観すると同時に、体操服と制服の関係を考え、衣服が表象するジェンダー構築に影響を与えるものは何か考える。